Q2. Slot1をSocket370に変換するゲタにはどんなものがありますか。

A2. これもかなりたくさんの種類があり、価格もさほど高価ではないが、それぞれ違いがありどれでもよいというわけではない。
特に問題になるのがCopperMineコアに対応するためのピンの互換性とコア電圧の問題である。
従来のSlot1の規格ではコア電圧が2.0Vまで対応していれば良かったのが、最近では1.5Vまで対応しないといけないのに古いマザーボードではレギュレータが対応していないので必要な電圧を供給できないことがあるのだ。
現時点では、この問題に対応できるゲタは単体では販売されていないが、特殊なCPUアクセラレータで対応している製品がある。
またCopperMineコアに対応するためのもう一つの問題としてピン互換性の問題がある。
CopperMineコアに対応するSlot1のピンの使い方が従来のSlot1では予約となっていて使っていないピンを使っている。
だから現在販売されているCPU(CopperMineコア)を搭載する場合、Slot1がCopperMineに対応していてもゲタもFC−PGA対応でなくてはならない。
これはSocket370でも同じことで従来のLegacy370(PPGA)と新規格のFC−PGA370の間にも同じ問題がある。
ただし、PPGAからFC−PGAに変換するゲタが存在するのでこれを使うとコア電圧さえ供給できればCopperMineコアのCPUが搭載できるわけだ。
下記の表は、主なSlot1変換ゲタである。
Slot1→Socket370変換ゲタ FC−PGA コア電圧設定 FSB変更 DUAL対応
IWILL SLOKETU 1.8V〜3.5V 66MHz〜133MHz ×
AOpen SKT370 FC−PGA 1.8V〜2.5V 100MHz ×
ASUSTek S370−133 1.5V〜2.6V × ×
ABIT SlotKETV 1.3V〜3.5V 66MHz〜133MHz ×
MICRO-STAR MS−6905MASTER 1.5V〜2.0V 100MHz〜133MHz
MICRO-STAR MS−6905DUAL × 1.5V〜2.0V 100MHz
Matrix PPGA−S370 × 66MHz〜133MHz ×
Gigabyte GA−6R7Pro 1.3V〜3.5V 66MHz〜133MHz ×

Legacy370からFC−PGA370に変換するゲタが次の表にある。 
Legacy370マザーボードを持つユーザがCopperMineコアのCPUを搭載したいときには、このゲタを使えばよい。
ただし、BIOSが対応していることとレギュレータが必要なコア電圧を供給できることが条件である。
このゲタには電圧変換機能はないのである。というより現在、単体で電圧を変換できるゲタは存在しないのだ。 

Legacy370→FC−PGA変換ゲタ FC−PGA コア電圧設定 FSB変更 DUAL対応
PowerLeap Neo−S370 × 66MHz〜133MHz ×
ただし、実際にこれらのゲタを使う場合、サイズの問題があるので注意しないといけない。
特に内部の余裕がないマシンの場合、必ず実際に搭載可能かどうか調べないといけない。