マザーボードというのは、パソコンにおいて最も重要なパーツといえます。
マザーボードの選定が、その後の自作パソコンの拡張性を決定します。(もう一つはケースですが。)
マザーボードをどのように選んでいけばいいのか、ポイントを確認してみましょう。
なおここでは現在通常に販売されているマザーボードを対象として記述しますのでそのつもりで。 |
(1)搭載するCPUからチップセットが限定されます |
マザーボードに搭載されているチップセットが、そのマザーボードの性格を決定します。
チップセットにより、どんなCPUが使用できるか、対応するFSBは、搭載できるメモリの種類、グラフィック機能は内蔵しているか、AGPスロットを持っているか、使えるUSBの規格等々が決定されるわけです。
ここでは、私が使用しているMSIのKM4Mを例に挙げてみましょう。
このマザーに搭載されているチップセットは、VIA KM400となります。
VIA KM400の主な仕様 |
項目 |
CPU |
FSB |
グラフィック機能 |
AGP |
USB |
対応 |
SocketA |
333MHz |
なし |
あり |
2.0対応 |
使用パーツ |
AthlonXP |
DDR PC2700メモリ |
AGPビデオカード必須 |
|
ここでわかることはまずチップセットがサポートするCPUソケットがSocketAであることから搭載可能なCPUがAthlonXP,Athlon,Duronに決定されることです。逆に言えばAMDのCPUを搭載するとなればこのチップセットを搭載するマザーボードが候補の一つに入るということになります。
下はCPUソケットと対応CPUの一覧表です。
CPUソケット |
Socket478 |
SocketA |
Socket754 |
Socket940 |
FC−PGA2 |
対応CPU |
Pentium4
Celeron |
AthlonXP
Athlon
Duron |
Athlon64 |
Opteron
Athlon64FX |
Celeron
(Tualatin) |
さらにFSBが333MHzをサポートすることから、対応メモリがDDR333(PC2700)であることがわかります。
これにより対応メモリが決定されることと、搭載できるCPUの対応FSBも決定されます。
下の表は搭載できるCPUと対応するFSBから、対応メモリと対応するCPU型番を一覧表にしました。
ただし、これは一応の目安で、厳密には一部例外もありますので実際のマザーボードを使用する場合には確認して下さい。
CPU |
Pentium4 |
Celeron |
AthlonXP |
Athlon,Duron |
Opteron |
Athlon64 |
対応FSB |
800MHz |
533MHz |
400MHz |
400MHz |
400MHz |
333MHz |
266Mhz |
266MHz |
200MHz |
800MHz×2 |
800MHz×2 |
使用メモリ |
DDR400
DDR333 |
DDR333
DDR266 |
DDR333
DDR266 |
DDR333
DDR266 |
DDR400 |
DDR333 |
DDR266 |
DDR266 |
DDR200 |
DDR400
|
DDR400
|
搭載可能
CPU |
3.40EGHz
3.40 GHz
3.20E GHz
3.20 GHz
3E GHz
3 GHz
2.80E GHz
2.80C GHz
2.60C GHz
2.40C GHz |
3.06 GHz
2.80A GHz,
2.80 GHz
,2.66 GHz
2.53 GHz
2.40B GHz
2.26 GHz |
2.60GHz
2.50GHz
2.40GHz
2.20GHz
2A GHz |
|
3200+
3400+ |
3000+
2800+
2600+
2700+
2500+ |
〜2400+ |
1.4GHz
(266)
1.33GHz |
〜1.3GHz
1.4GHz
(200) |
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ここでは私は、AthlonXP 2500+を選択しました。
Bartonコアを搭載し、FSB333MHz,L2キャッシュ512KBと基本性能は高く、コストは安いのでした。
さらにメモリは、DDR333(PC2700)ということになります。 |
(2)マザーボードのサイズによる拡張性の違いを考察します |
CPUおよびチップセットが決定したら、今度はマザーボードのサイズを決定することになります。
まずマザーボードのサイズですが、これはATX,あるいはMicroATXが規格化されています。
ATXが標準的な大きさで、MicroATXは少し小型のマザーボードとなります。
このマザーボードの大きさの違いは主にPCIスロットの数に影響します。それ以外にもメモリスロットの数など拡張性に影響します。
また、マザーボードのサイズにより装着できるケースが決定されます。
ATXマザーは、ATXケースに装着できます。通常は、ミドルタワー以上のケースに装着できると考えれば良いでしょう。
またMicroATXマザーは、ATXケース、MicroATXケースのいずれにも装着できます。
MicroATXケースは、マイクロタワー、スリムタワーが該当すると考えて良いでしょう。
これらのマザーボードとケースは、規格化がなされていてネジの位置やサイズが決まっているので、規格に適合したパーツは共通して利用することができるわけです。
最近では、FlexATXと呼ばれるMicroATXよりも小型さい規格も登場しています。
これは拡張性は劣りますが、Flexタワーやキューブ型のマシンに搭載できるマザーです。
最近のベアボーンはこのタイプが多いようです。
またVIA独自規格のMini−ITXマザーは、いわゆるEdenケースに搭載するマザーですが、MicroATXと互換性があり、MicroATXケースにも装着できます。
いずれにしてもマシンの拡張性を求めるとサイズが大きくなり、コンパクトさを求めると拡張性が犠牲になりますので、置き場所も考えた上でマザーボードとケースのサイズを決定するべきでしょう。
個人的には、充分な拡張性を持った上でサイズもあまり大きくならないマイクロタワーマシンおよびMicroATXマザーというのが万人が納得できる選択に近いのではないかと思いますが。
マザーボードのサイズの比較 |
形状 |
ATX |
MicroATX |
FlexATX |
Mini-ITX |
メモリスロット |
3 |
2〜3 |
2 |
1〜2 |
PCIスロット |
5〜6本 |
3〜4本 |
1本 |
1本 |
使用可能ケース |
ATX |
MicroATX
ATX
|
FlexATX |
eden
MicroATX |
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(3)オンボード機能は何が必要なのでしょうか。 |
最近のマザーボードには、オンボード機能として、様々な機能が最初から組み込まれるようになりました。
オンボード機能が増えるほどマザーボードのコストが大きくなりますが、それでも別途PCIカードなどで機能を拡張する必要がなくなりますから、トータルで考えれば、ぐっと自作費用を抑えることも可能となるのです。
ですから、必要な機能は最初から搭載しているマザーボードを選定するべきでしょう。
必ず必要な機能としては、当然ながらグラフィック機能があります。
性能を追い求めるのであれば、AGPビデオカードを搭載することになりますので、AGPスロットを持つマザーボードを選定する必要がありますが、それほどでもないのであれば、グラフィック機能を持つマザーボードを選んでもかまわないでしょう。
グラフィック機能を持つマザーボードでもAGPスロットを持つマザーボードもありますので、これを選んでおくと、後でパワーアップが可能になります。
またLANもまず必要な機能となるでしょうが、最近のマザーボードではたいてい標準搭載されています。
最近登場した規格としてはシリアルATAがあります。
これはシリアルATA対応ハードディスクを接続するインタフェースですが、現状ではUltraATAは必ず標準搭載されているので、絶対的に必要な機能とは言えないでしょう。 |
主なオンボード機能 |
- グラフィック機能
- サウンド機能
- デジタル出力付きサウンド
- 10/100Base-T LAN
- 1000Base-T LAN
- シリアルATA
- ATA133(IDE)
- RAID 0/1
- IEEE1394
- USB2.0
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